言葉として外に発する(2)

 
発話された言葉は世界を変形する。と前回書きました。それを強烈に増幅するのが、気功技術のecho(エコー)です。

会話の中で、発話された相手の言葉の中から、物事の根本原理を抽出します。私たちはその根本原理のことをLOGOS(ロゴス)と呼びます。LOGOSを意識し、純粋なそれに近づくことで、私たちは宇宙を変形することができます。すなわちゴールに近づくことができます。

LOGOSを本当に純粋な形でとらえることは不可能です。それに多少なりとも近づく。というイメージです。

人が話す言葉にはLOGOSが含まれています。しかしそのLOGOSは純粋なものではありません。さまざまな過去の経緯なり、俗人的な好みや、特有の事情、状況、内実のような、本質的でないものが複雑に、幾重にもまとわりついています。通常の会話ではその不純物こそ私たちが受け取る情報(日常生活に必要な情報)なのですが、それがLOGOSを濁らせ、影響力を弱いものにしてしまいます。

純粋なLOGOSに近づく一つのやり方は、そのような不純物をろ過することです。

つまり、echoの時には、言葉に乗っている意味を捨象してしまいます。

意味を理解することを拒否して、例えば英語のグラマーの、S+V+Cのように、話している文章の構文だけを取るようにするとか、または構文すら取らずに、音声のみをそのまま頭の中に響かせるようにします。まさにエコーのように。

音だけ聞いて内容を無視するのです。発話された音だけが必要でありその内容が不要になるということは、発話された内容は、誤っていても(嘘でも!)よいということです。私たちが普通に考える発話内容の正誤は所詮日常生活の抽象度においての判断であり、LOGOSは当然それより上位の情報空間に存在しています。

私たちは純粋なLOGOSに近づくことで、宇宙を揺らがせて変形することが可能になるのです。

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私はechoを多用しています。普通に話しているようなそぶりでひそかにechoを使っていると、相手はこちらのペースにはまります。自然とラポールが形成されるだけでなく、相手が自ら望む方向の変化を誘発することもできます。

一時は人と会話する時は無条件にechoしていましたが、echoは非常に脳が疲れて消耗するので、最近では無闇に発動させないように気を付けているところです。

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