変化することを厭わない
Global Rich List というサイトがあります。
Select Location というボックスでJAPANを選択し、その下に年収を円で入力すると、自分の年収が世界の中で上位何パーセントに入るのかがわかります。ご興味のある方はどうぞ。
ここに300万円を入れると、1.67%です。余裕で世界の上位2%に入るんですね。日本は生活のコストが高い国ですが、それにしたって世界的に見たらずいぶんと上位です。1000万円なんて入れようもんなら、なんと0.09%。
健康で生活できている年齢(健康寿命)の国別リストはこちら。
日本がトップですね~。結構馴染みのある国でも60歳以下だったりします。
しかし、この恵まれた日本で、その恩恵を受けられない人々がいることも確かです。収入の格差やホームレスやワーキングプアの問題もあります。勿論行政が頑張って解決しなければならない。しかし(もちろんですが)当人も自ら変化するべきだと思うのです。
私が思い出すのは、もう10年以上前のNHKで放送していたルポタージュです。規制緩和でタクシー業界への新規参入が活発になったことを取材していました。プレイヤーが増えれば必然的に淘汰が起こります。
取材を受けていたある夫婦は、2人で炬燵にはいったままインタビューを受けていました。新規参入が活発になったあおりを受けて、旦那さんの収入はどんどん下がっていきます。生活が苦しい二人はもう元気をなくし、画面からも沈んだ気が伝わってきました。
奥さんが言います。
「健康な大人が毎日働いているのに、収入で生活できないなんて理解できない。」
・・・・?!(これは私の驚き)
この二人は何も抵抗せす、沈みゆくタクシー会社と心中しようとしていました。見ていて本当に怖かった。生活が苦しければ、タクシーの仕事で儲かるように工夫するとか、転職を目指して市役所で相談するとか、何か行動を起こそうと思わないのだろうか?Uターン、Iターンに補助を出す自治体もある。補助金をもらいながら職業訓練を受けることもできる。炬燵で愚痴を言っている間に、できることはいくらでもあるのです。でも彼らは今いるところから、1ミリも動こうとはしていませんでした。そして、社会を呪っていました。
その無策、無気力が私には恐ろしかった。
人が基本的に変化を嫌うのはわかります。人類の長い歴史の中で、『新しいチャレンジはリスクがある。明日も生き残るためには変わったことはするべきではない。』という情報が遺伝子に書き込まれています。それはわかる。
しかし、今に生きる私たちは相当なスピードで変化しなければ生きていけません。世界は変化のスピードを増しています。私たちは自分の過去にこだわっている余裕などないのです。
生まれ育った故郷を出るのは嫌だとか、親から引き継いだ家を手放すのは忍びないとか、今やってる仕事以外はできないとか、そんな寝言を言っている場合ではないのです。自分と身近な人たちを転落させないためには、どんな変化にも対応しなければなりません。
食べるためにどんな仕事でもするべきだ。と言いたいのではありません。『自分はこんな仕事をしたい』というゴールは、素晴らしい。ただ、何をするにしても自分の予想もしていないアクシデントは必ずあるから、それに冷静に対応してしっかりと変化することが大切です。できれば、変化を楽しみたい。
変化を拒むと、衰退します。
『最も強い者が生き残るのではなく、 最も賢い者が生き延びるでもない。 唯一生き残るのは、変化できる者である』 (チャールズ・ダーウィン)